ヨガの「無理しないで」は本当に無理しなくていいのか?ヨガ講師が解説
ヨガの先生に「無理しないで」とよく言われるけど、本当に無理しなくていいの?
無理をしないことがヨガってこと?
そんな疑問にお応えしましょう。
筆者は20代半ばから独学で瞑想を始め、2011年からは本格的にハタヨガの修行を開始。
その後講師としてクラスを教え始め、これまでに約20,000人の方々に指導をしてきました。
あなたはヨガのクラス中に「無理をしないで」と先生が言うのを、耳にしたことがないでしょうか?
2023年1月9日に開催したクラスでも、筆者ももちろん言いました。
そして改めて気づいたこともあったので、今回はヨガの「無理しないで」は本当に無理しなくていいのか?ヨガ講師が解説と題して、クラスの様子も交えながら詳しく解説したいと思います。
ヨガの「無理しないで」は本当に無理しなくていいのか?ヨガ講師が解説
ヨガの「無理しないで」は本当に無理をしなくていいのか?
結論から言うと、YESでもありNOでもあると筆者は考えています。
どういうことか、順番に詳しく説明していきます。
無理をしなくてもいい場合
ヨガの「無理しないで」が、文字通り「無理をしなくていい」を意味する場合ももちろん多く考えられます。
例えば、体にケガや痛みがあったり体調がすぐれない、だけどヨガの練習がしたいといったケース。
あるいは、妊娠中や病気が回復して間もない時など。
そんな人には「体調がよい時の半分くらいの強度で練習してみてください」という意味で「無理しないで」と声をかけることがあります。
初めてヨガのクラスに参加する方も同様。
実際、この日が初めてのヨガの練習という生徒さんがいらっしゃったので「無理しないで、いつでも休んでくださいね」とクラス前に声をかけました。
この方はおそらく、普段からついつい頑張ってしまいがちなのではないかとも感じたので、特に無理をしないことを強調してお伝えしました。
するとクラス後に「呼吸の浅さや体の凝り、バランスのとり方など、改めて気付いたことがありました」との感想をいただきました。
筆者自身が以前そうだったので、うまく力を抜くことの大切さは身をもって感じているのです。
無理をしないことが重要となる別のケースは、逆立ちなどのチャレンジポーズをする際。
周りの人が軽々やっていて「できなくて恥ずかしい」と思ったり「私もやらなきゃ」とプレッシャーを感じたことってないですか?
怪我をしやすいのってそういった時なので「自分のペースでできるようになっていけばいいですからね」という意味で「無理しないで」と言うことがあります。
筆者自身が生徒として、何度も無理をして痛い思いをしたことがあるからです。
ちなみに、体が硬いし重いからヨガなんて…と思っていたら、ぜひこちらをお読みください↓
ヨガはハッピーなのか?
ということで、みんなで楽しく無理をせずヨガのポーズをとってハッピーですよね〜となるかというと、そうでもないと筆者は考えています。
例えば、自分の能力が100あったとして、いつも50〜60くらいのところで練習をしていたりしないでしょうか?
そういった場合は、80とか100ギリギリくらいまで自分を使い切ることが、その人にとってのヨガの練習や学びだったりもするわけです。
自分の安全地帯から一歩出ることで、成長につながることは大いにありうるからです。
あるいは、難しいポーズを目の前にして「私には無理」とはなから諦めてしまっていないでしょうか?
そういった場合も、ちょっと勇気を出してみたいわけです。
やってみたら「なんだ、いとも簡単にできたじゃないか」なんてことは山のようにあり得ます。
単なる想像で「自分には無理」と思い込んでしまっていることのなんと多いことか。
無理はしないけどチャレンジはしたい
ヨガの「無理しないで」には、筆者はこのようにさまざまな意味を込めて言うようにしていますが、その根底には共通の想いがあります。
それは「無理はしないけど、チャレンジはしたい」ということです。
無理というのは、自分の能力を超えてダメ元でやってやるみたいなイメージってないですか?
一か八かの賭けみたいな。
一方でチャレンジというのは、自分の能力をまず把握して、それを意識的に押し広げていくというような意味に筆者は解釈しています。
むやみやたらに玉砕覚悟で突っ込むんじゃなくて、意図的・計画的に、賢く一歩一歩進んでるといった感じ。
たとえ思っていた通りの結果にならなくても、ダメージを最小限にできるようあらかじめそこまで考えておくというのも、ものすごく大切だと思っています。
怪我をしない転び方とか受け身って、大事なんですよ。
できないのに無理してやろうとしてないですか?
逆に、もう少しチャレンジできるのに自分で制限しちゃっていませんか?
このように無理とチャレンジというのは、なんとなく同じような行為に思えますけど、実は真逆の意味ですらあると筆者は感じています。
正解なんてない
ここで筆者がもう一つお伝えしたいのが、無理がダメで、チャレンジだからいいと言うわけでもないということです。
無理しちゃう時もチャレンジできない時も、そりゃありますよね。
いい悪いのジャッジをせず「ああ、今こうなんだな」と純粋に自分を観察することこそが、ヨガの練習であるとも言えます。
あなたが今しているのは無理でしょうか? チャレンジでしょうか?
チャレンジポーズが少しずつ出来るようになることも、逆に、以前は出来たのに今回はそこまで出来ないということも、いい悪いはなく、ただそうであるということです。
変化や進歩の過程は、人それぞれです。
こうやって生きるのが正解、そこから外れちゃったらアウト!みたいな世の中に疲れちゃったことないですか?
人生なんて、70億人いたら70億通りあるはずだと思うんですよね。
また、この「無理をする、しない」というのは、実はヨガを教える側にも言えることなのです。
私は先生だからと背伸びをして、さも分かったふりをしていろいろ言っちゃうことは多々あります。
この記事だってそうですよ。
偉そうなことを言っていますが、かなり無理して(カッコつけて)書いているように思います。
というわけで、改めて「無理しない」とは何なのかを自分に言い聞かせながら文章にしてみました。
何かのお役に立てばうれしいです。
ヨガの「無理しないで」は本当に無理しなくていいのか?ヨガ講師が解説 まとめ
以上、ヨガの「無理しないで」は本当に無理しなくていいのか?ヨガ講師が解説というテーマでお伝えしました。
美しくポーズをとらなくちゃと思って、無理しすぎたことはないですか?
よくあるなあ…という場合は、こちらの記事が参考になれば↓
できないポーズがあって悔しい…そんな方はこちら↓
足を高く上げたり、片足で立つポーズを無理なく練習するコツは、こちらをどうぞ↓
筆者は現在、埼玉県の東松山ヨガでクラスやワークショップを開催しています。
もし興味がございましたら、ぜひ一度ご参加ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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